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御蓋山(みかさやま)
春日大社のご神体で本殿東に位置する標高297mの山。三笠山とも。禁足地である山頂の浮雲峰は、神護景雲2年(768)、武甕槌命が白鹿に乗り降り立った地とされ、本宮神社が祀られる。御蓋山を含む春日山は、神域として古来より伐採や狩猟が禁じられてきたため、原始の姿を今にまで残す。世界遺産。
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天平衣装(天平時代の服)
唐の影響を色濃く受けた奈良時代。服装も唐に倣い、律令に基づいた「衣服令」を定め、朝服・礼服・制服が生まれた。礼服は五位以上の貴族が即位式等の重儀に着る正装。江戸時代最後の天皇 孝明天皇の即位まで使われた。朝服は官人が朝廷に出仕する際の服。制服は、庶民が公事に従事する際の服。
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正倉院
東大寺の北西にある校倉造(あぜくらづくり)の高床式倉庫。天平勝宝8歳(756)、聖武天皇の妻、光明皇后が愛する夫の冥福を祈念し、天皇遺愛の品約650点、及び、薬物60種を東大寺に奉献したのが始まり。唐やペルシャ等からの輸入品等、古代美術工芸の粋を集めた宝物が約9,000点を保管される。
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瑠璃杯(るりのつき)
美しいコバルトブルーのガラス坏。7世紀の製作とされるが、記録に登場したのは1193年で、来歴が謎に包まれた宝物の一つ。銀製鍍金の台脚は明治の補修品。表面の特徴的な22個の輪の貼り付けには高度な技術を要したとされ、ササン朝ペルシャやシリア等、西アジア一流の技術が注がれたことが伺える。
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白瑠璃碗(はくるりのわん)
透明で淡い褐色味のついた高さ8.5cm、最大径12cmの半球形のアルカリ石灰ガラス製の碗。美しい切子装飾が亀甲繋ぎの文様として全体に施されている。その特徴からササン朝ペルシャ(226~651年)で作られたものと同一とみられるが、その起源や正倉院に入庫した経緯には謎が多い。
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漆胡瓶(しっこへい)
鳥の頭を象った注ぎ口と金属の取手がついた水瓶。細長い薄板にした木材を巻き上げて作られており、表面に黒漆が塗られている。その上から、文様の形に切り抜いた銀板を貼り付け、山岳や鳥、鹿、蝶、草木などを表している。ペルシャなどの西方由来の器形と東アジアの漆芸が見事に融合した品である。
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伎楽面(ぎがくめん)
古代日本で演じられた台詞のない無言仮面舞踊劇”伎楽”に使われた面。呉から伝えられ、世界最古に属する。記録が少ないため詳細は不明だが、人顔・妖怪・獅子・金剛等、14種23面の面が使用された。正倉院には171面が保管され、その多くは天平勝宝4年(752)の大仏開眼の際に使われたとされる。
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密陀彩絵箱(みつださいえのはこ)
日本の油彩絵画技法の一つである”密陀絵”で描かれた収納箱。正倉院にはいくつか保管されているが、木製黒漆塗りでどれも全体に油をかけて仕上げられており、表面には光沢がある。図柄も様々で、大きな鳳凰を取り囲む花枝や、雲、蝶、怪鳥などの文様が、顔料、金箔等を用いて彩色豊かに描かれている。
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蘭奢待(らんじゃたい)
長さ1.5m、重さ11.6㎏の伽羅に分類される日本最大の香木で、天下第一の名香。”蘭奢待を持つ者=天下人”と言われ、かの足利義満や織田信長等も切り取っており、近年の調査で推定50回以上は切り取られたと見られる。正倉院目録では”黄熟香”と記され、蘭奢待という名には、東 大 寺の文字が隠されている。
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平螺鈿背円鏡(へいらでんはいのえんきょう)
背面に、夜光貝の螺鈿や鼈甲、琥珀、トルコ石、ラピスラズリを使った非常に豪華な鏡。文様は大きな唐花文に4羽の鳥がとまり、その周りに小花と葉がリース状に配された図柄が4組配列。鎌倉時代の盗難の際、何枚かは修復不可能なレベルまで破損したが、現在は修復されたものも保管されている。
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螺鈿紫檀五絃琵琶(らでんしたんのごげんびわ)
世界で唯一現存する五弦琵琶。インドから唐に渡ったものを遣唐使が持ち帰ったものとされ、当時の日本にはない高度な技法で作られている。下部には当時まだ日本には知られていなかったラクダと、ペルシャの吟遊詩人が精巧に描かれており、現在では入所困難な大きな夜光貝が大小14枚使われている。
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黄金瑠璃鈿背十二稜鏡(おうごんるりでんはいのじゅうにりょうきょう)
直径18.5cm程度の銀製の鏡で、正倉院唯一の七宝製品。素地や金属線には金が使用され、背面には31のパーツに分けた金胎七宝が貼り合せてある。文献がなく、いつどこで作られたか諸説があるが、7~8世紀頃に大陸から輸入されたとの説が有力。また、この鏡には”漆皮八角鏡箱”という箱が現存する。
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神饌(しんせん)
神に供える飲食物の総称で、御饌(みけ)や御贄(みにえ)とも。新鮮で清浄な海川山野の産物や、酒、塩、水を供える。生のものを生饌、調理したものを熟饌、のしあわびや、米菓である、ぶと、まがり等を特殊神饌という。食事を捧げ、そのお下がりを頂く「神人共食」が、日本の祭の特徴とされる。
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紫とうがらし
ナス科の果菜。大きさは獅子唐ほどで辛味は無い。ブルーベリー等に含まれるアントシアニンという色素によって日照部がナスのような黒紫色になり、完熟すると見事な朱色になる。加熱すると緑色になるが、赤いものは加熱しても変化しない。栽培に手間がかかるため、一般市場にはあまり出回らない。
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三輪山(みわやま)
奈良桜井市にある山。日本最古の神社”大神(おおみわ)神社”のご神体。古来から大和一国の信仰を集めてきた神が住まう”神奈備”であるため、明治頃まで神官僧侶以外は立ち入れない禁足地であった。太古の昔から自然発生的に生まれた自然崇拝の延長にあり、歴史的に最も古式の信仰形態をとどめている。
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二上山(ふたかみやま)
奈良と大阪の境にある山。北に雄岳、南に雌岳が並ぶ。奈良盆地は、東に陽が昇る神の山 三輪山、西に陽が沈む二上山という地理にある。そのため、古代の人にとっては自らが暮らすこの場所こそが”現世”であり、二上山より西を自らの魂が還っていく神聖な場所として多くの墳墓を築き、祈りを捧げてきた。
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大和芋(やまといも)
ヤマノイモ科。中国南西の雲南地方原産。奈良時代の正倉院文書にも高級食材として登場する。“山薬”と言われ、漢方では滋養強壮や胃腸薬としての薬効があるとされる。関東ではイチョウ芋を”やまと芋”と呼ぶが別種。表皮が黒く球状で、一般的にはすりおろして食べる。おせち料理の煮物にも使われる。
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花みょうが
独特の風味と食感に優れるショウガ科の香辛菜で、大和野菜の一つ。主に吉野川流域で生産され、ふっくらと大ぶりに育つのが特徴。古くは、3世紀末に中国で書かれた”魏志倭人伝”に日本で栽培されていた記述がある。開花前の蕾を内部に持つため、名前に花がつくが、生薬の花みょうが(伊豆縮砂)は別種。
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鑑真大和上(がんじんだいわじょう)
唐代の高僧。日本の律宗の祖。揚州(江蘇省)の大明寺で律を講じていたが、日本の要請に応じ、五回の渡航失敗と失明にも関わらず、天平勝宝5年(753)に来日。東大寺に戒壇を設け、聖武上皇らの帰依を受け、天平宝字3年に唐招提寺を創建。また、医療や香木、砂糖等、様々なものも輸入された。
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遣隋使・遣唐使(けんずいし・けんとうし)
7〜9世紀頃、日本から中国に送られた使節。当時、大国であった隋や唐に使節を送ることで、大陸の国々と対等な関係を結び、東アジア情勢の情報入手や文化や制度の摂取を狙いとした。難破や漂流、餓死等の様々な苦難を乗り越え、仏教の伝播を始め、日本の文化や政治に多大な影響を与えたとされる。
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蘇(そ)
日本で作られた最初のチーズ。牛乳をゆっくりと煮詰めて作られるため、フレッシュチーズに分類される。文武天皇期(697–707年)に製造の記録があり、主に薬や神饌として使われていた。カッテージチーズに近い淡白な味で、濃厚な牛乳の香りが特徴。現在、蘇を復元した製品が奈良で販売されている。
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カルカルソーダ
カルピス+カルダモン+ソーダで作るNFCオリジナルドリンク。カルピスの優しい味わいに風味豊かなカルダモンの香りが絶妙に絡み合う一品。日本初の乳酸菌飲料のカルピスは、僧侶出身の創業者が明治頃に内モンゴルを訪れた際に飲んだジョッへを参考にして開発された。国外での名称はCalpico。
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月ヶ瀬健康茶園
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吉野川の鮎
川や海を回遊するキュウリウオ目の魚。一年で一生を終える。吉野川の鮎は歴史が古く、上流に住んでいた国栖の人々が朝廷に鮎を献じていた奈良時代まで遡る。また、漢字の鮎は当時はナマズを指し、記紀を含め殆どが”年魚”と表記される。初夏の若鮎は特に美味で、生食よりも塩焼きが最良とされる。
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桂皮(シナモン)
熱帯に生育するクスノキ科の常緑樹で、樹皮から作られる香辛料のこと。ニッキとも。漢方では桂皮(ケイヒ)と呼ばれる。世界最古の香辛料の1つで、日本には8世紀頃に伝来。正倉院には「桂心」という名で薬物として奉納されている。香り高く、『スパイスの王様』と呼ばれる。
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ひもとうがらし
ナス科の果菜で、奈良で古くから栽培されてきた奈良県在来のトウガラシ。夏の大和野菜。辛味はほとんどなく、甘みと独特のさわやかな香りがある。太さは5mm程度でひものように長く、濃緑色で果皮は柔らかい。NFCでは、「ひも唐辛子とピーナッツの甘辛炒め」として登場した。
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古代米
古代から栽培していた品種とされ、稲の原種である野生稲の特徴を受け継いでいる米。とても生命カが強く、無肥料・無農薬でも丈夫に育つ。黒米、赤米、緑米等があるが、いずれもタンパク質やビタミン、ミネラル等を多く含み、その中でも特に「黒米」が栄養価が高いとされる。
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大和当帰(やまととうき)
奈良の生薬として注目されるセリ科、シシウド属の多年草。ハーブの「アンジェリカ」と同じ仲間。乾燥させた根は、冷え性、血行障害、強壮等の漢方薬として処方される。セロリと似た味と香りでほのかな甘みと苦味が特徴。NFCでは、「大和当帰の葉のさつま揚げ」として登場した。
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カルダモン
スパイスの王様と呼ばれるショウガ科の多年草。最も古いスパイスのひとつで和名は小荳蒄(ショウズク)。乾燥した種子は香辛料として用いられ、ガラムマサラ等の混合香味料やカレー料理にはかかせないスパイス。また、生薬としては芳香健胃薬として胃腸薬の原料とされる。
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唐柿葉(とうしよう)
いちじくの葉。中国では無花果葉というが、日本では唐柿葉と呼ばれる。乾燥させた葉は、タンパク質を分解する消化酵素のある漢方薬として利用される。また、旧約聖書の創世記でアダムとイブが自分たちの腰に巻いた葉でもある。NFCでは、唐柿葉を使ったブレンドティーを考案。
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無花果(いちじく)
世界最古の栽培果樹と言われ、少なくとも6,000年前には栽培されていたとされるクワ科の落葉樹。アラビア半島からヨーロッパ、ペルシャ、中国、そして江戸時代に日本へ伝来。当時は”南蛮柿”や”蓬莱柿”、”唐柿”と呼ばれていた。不老長寿の果物と言われるほど栄養価が高い。果実の中の赤い粒が花。
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NARAMACHI HOSTEL & RESTAURANT
約160年以上の歴史を持つ奈良市指定文化財の商家を改装した高畑町にある宿泊施設とレストランを兼ね備えた施設。館内は、おくどや蔵、庭園等、かつての面影を感じることができる。また、外には広いデッキスペースがあり、この場所で第一回目のポップアップレストランを開催した。
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シルクロード
アジアと地中海沿岸地方を結ぶ古代の東西交易路。一般に”絹の道”と訳されるのは、中国の絹が運ばれていた事に由来する。また、奈良の正倉院には当時の宝物が多く残っており、このことから奈良を”シルクロードの東の終着駅”と捉えることも。NFCのリサーチはそうした歴史背景を探ることからはじまった。
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Baird Beer
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たかばたけ茶論(サロン)
昭和初期、多くの文人画家が集った志賀直哉邸は”高畑サロン”と呼ばれていた。その頃のように新しい文化が奈良に根付くことを願い、洋画家 中村一雄夫妻が、父から継いだ自宅洋館の庭でカフェを始めたのが現在の”たかばたけ茶論”。幽玄で清閑なささやきの小径を抜け、緑豊かな庭で飲むコーヒーは格別。
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はちまつ養蜂農場
大和高原の月ヶ瀬にある養蜂農場。害虫駆除薬等を使用せず、加熱処理や花粉除去もしない製法のため、酵素が生きた状態の「生の蜂蜜」を販売する。自然との調和を大事にしたいという作り手の想いを感じることができる、大和高原の自然そのままの優しい味が印象的な美味しい蜂蜜。
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ビッグ・ナラ [本店]
奈良市東木辻町にあるスーパー。営業時間は9時~21時、駐車場あり。2Fには薬局や100円ショップ等もある。AJITO(アジト)から徒歩5分程度の場所にあるため、NFCチームが滞在する際は必ずといっていいほど利用する。バランスの良い品揃えとお求めやすい価格が魅力的なお店。
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ヤマトポーク
奈良県で生産されるブランド豚で「大和畜産ブランド」の一つ。父豚に肉質の優れたデュロック種、母豚に大ヨークシャー種とランドレース種の交配種を用いた三元交雑種。きめ細かな色の濃い赤身に、上質な脂肪が適度に入る肉質で、甘みのあるジューシーな豚肉。
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大和真菜(やまとまな)
アブラナ科の越年草で奈良県在来の「大和野菜」の一つ。古事記にも書かれる”菘菜(あおな)”がルーツと言われ、漬物に適した”漬け菜”の中でも原種に近い品種。現在では周年生産されているが、寒さの厳しい冬の大和平野で育ったものは、他の菜類にはない上品な甘味と柔らかさとなる。
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モンゴルサワー
モンゴルでは赤ん坊からご老人まで飲用する「馬乳酒」をイメージして作られたNFCオリジナルサワー。マッコリ+炭酸で作られており、乳酸菌飲料のような優しい甘味と炭酸の爽やかさが特徴的。本当は馬乳酒を作ってみたかったが、作ってしまうと違法のため、あくまでイメージ。
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ゲル(パオ)
数千年もの古代より東アジア内陸で遊牧生活を営んできたモンゴルの遊牧民達が使う移動式住居。中国語の「パオ(包)」と呼ばれることも。移動に適し、組み立て/解体/運搬が容易な構造となっている。今回、私たちは日本の気候に適した竹材を使ったものを使用。
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AJITO(アジト)
京(みやこ)の終わりと書く京終エリアにあるNFCの前線基地。リサーチ内容の共有、メニュー開発/試食、企画会議等を日夜行うだけでなく、国内外から様々なゲストが来訪する。そのためか、ゲートや監視カメラ等が配備されているため、お越しの際はご一報を。
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藝育カフェ Sankaku
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春日大社
奈良春日野町にある神社。奈良時代初期、国の繁栄と国民の平和を祈念して創建。日本に約3,000社ある春日神社の総本社。今年、20年に一度の社殿の修築大事業、第六十次式年造替が行われている。また、春日祭の「着到之儀」が行われる「着到殿」(重文)では、10/23まで、美術部門の作品を展示中。
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大和茶(やまとちゃ)
朝晩の温度差が激しい高冷地である大和高原を中心として生産される茶。香り高く、爽やかな後味が特徴的。伝承では、大同元年(806年)に空海が唐から持ち帰った茶種を、現在の榛原赤埴(はいばらあかばね)付近に蒔いたのがはじまりとされる。奈良県の緑茶生産量は全国第6位。
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華厳宗大本山 東大寺
奈良市雑司町にある華厳宗大本山のお寺。743年に聖武天皇が盧舎那仏坐像(大仏・国宝)造立の勅令を発し、国力を尽くして造営された。世界最大級の木造建築である金堂(大仏殿・国宝)も有名である。10/23まで、美術部門の作品を南大門と大仏殿の間の鏡池に展示中。
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奈良の鹿
奈良の鹿は、春日大社創建の頃に武甕槌命(たけみかづちのみこと)が白い神鹿に乗ってやってきたことから、代々、神の使い(神使)として崇められ、保護されてきた。奈良公園の鹿は、国の天然記念物に指定される野生動物であり、同公園には約1,200頭の鹿がいるとされている。